[海外生活]ボッチの処世術—お一人様の生き方戦略

ホタイブログ

世の中には「一人が好き」という人も少なくないと思います。しかし人との付き合いが少ないと「ボッチ」といわれ、ネガティブな印象を与えられてしまいます。でもこれは性格なので、ある程度はしかたのないことです。かく言う筆者も一人が好きで、友達は少ないです。それでも、海外で不自由していません。

筆者は、ボッチとして長らく海外に住んでいますが、ボッチとしてどのように生きれば快適に過ごせるのかを考えてきました。人間は社会的な生き物なので、全く他者と交流なくしては生きられません。そして全く交流がないのは、ボッチではなく、引きこもりです。
ある程度社会的な営みをしながら、一人で生きていく、それがお一人様の生き方です。そして、人的交流を最小限に効率的にこなしつつ一人で生きるのがお一人様の処世術です。

海外に住むということは、それまでの地縁・血縁から離れた所に行くことです。それまではお一人様といえども、家族や友人との深い繋がりの中で生活し、有形無形のサポートを受けています。海外ではそれはありません。ではどのようにしたら生活に困らずにいきていけるのでしょうか。
それは、「ハブ」となる人を見つけることです。

目次

「お一人様」のメリットデメリット

お一人様は気楽です。でも否定的に捉えられることも多いのでまずそのメリット・デメリットを整理しましょう。

    メリット
  • 時間的ゆとり:対人関係に費やす時間が少ない分、スキルアップの学習や健康のための運動などに力を入れられる。
  • 精神的独立:一人行動が多く、何でも自分で決めて自分で実行する。人の意見に左右されずに、精神的に自立している。
  • 人間関係トラブルが少ない:人間関係が希薄な分、人間関係に起因するトラブルに巻き込まれることが少ない。
    デメリット
  • サポートが得にくい:なにか困った時に、相談したり手助けしてくれる人が少ない。人脈が弱い。新しい刺激:新しい人と会うことが少なく、情報も遅れがち。そのため、自分を刺激する新しいものに出会える機会が少なくなる。

ここでいう「お一人様」というのは、全く人と会わない(会えない)引きこもりではありません。
通常の社会生活は営むことができつつも、「一人の方が気楽」といった人のことです。

海外では、みんなお一人様からスタート

海外に来た場合、みな新しい環境からの生活がスタートします。つまり皆お一人様から始まるわけです。
そして、会社や学校などで知り合いを築き、さらに生活のなかで人と知り合っていくわけです。
お一人様は、その人の輪の広がりが少なかったり、輪の広がるスピードが遅かったりします。
人間関係とは、自分を中心として人との繋がりが多方面に広がることです。下のイメージのようになります。

人間関係模式図

この円の周りにある線が多いと人との繋がりが多く、線が太いと関係が濃い、ということになります。お一人様は、この線が少なく、先も細いということです。

人間関係の模式図

人間関係は、このひとつひとつの円が結びついて構成されます。

デメリットで挙げられた、困った時のサポートや人脈について考えてみましょう。例えば、
「画像の編集をしたい。誰かできる人を探している」でもどこにも伝手がないというような時。
画像編集ができるAさんがいます。(例ですので、内容はほかの事でもかまいません。)
自分からAさんにたどり着く人間関係はどうなっているでしょうか。

人間関係のつながり

自分→Bさん→Cさん→Aさんとななります。
これを見ると、Bさんの特異性がよく見えます。いわゆる多くの人に伝手を持つ「人脈のある人」です。人間関係の”ハブ”になる人です。
マッチする人と人との関係が遠いほど、このハブが大きな役目を果たします。交通機関のハブと同じで、海外に行くには、まず(関東であれば)成田空港へ、そこから目的国の主要空港へ飛ぶのと同じようなイメージになります。
これを「ハブ度」としてみましょう。

  • ハブ度1:知り合いが多い。社交的、社会的地位や知名度もあり、人がよってくる
  • ハブ度2:知り合いが多い。社交的
  • ハブ度3:普通の人
  • ハブ度4:あまり話さない、寡黙で友人が少ない
  • ハブ度5:ひきこもり、人との接触がほとんどない

インターネットの発達でこのような「人脈」の重要性は薄れつつあると言われますが、人の紹介というのは信頼性の担保の意味もあります。通常インターネット等公開で探す前に、非公式で伝手をたどることが多いので、まだまだ重要です。

お一人様の人間関係戦略

なぜ人間関係の輪を広げていくのが重要かというと、自分から目的の人への接触距離が短くなるためです。具体的には、自分から自分からAさんに到達するには、間に人を2人はさむのともっと多くの人をはさむかの違いです。

どうすれば効率的にこの距離を短くすることができるでしょうか。
お一人様のハブ度は、この人間関係が薄いため、ハブ度でいうとハブ度4くらいでしょうか。
ハブ度4が固まっても、あまり人間関係の輪は外へ広がりません。
しかし、一旦ハブ度の高い人とつながるとそこから一気に人間関係の輪が広がります。
つまり、一人でもハブ度の高い人とつながっていると、そこから人間関係の輪が大きく広がることになるのです。そこで、お一人様といえど、一人くらいはハブ度の高い人との関係を保っておくこと、これがお一人様の戦略となります。

ハブ度の比較

一人が好き、といえど、全く一人で生きるわけにはいきません。
会社でのつきあいもあれば、趣味やスポーツでも人とのつながりはできます。
その人間関係の中で、最低限の日常会話をし、ハブ度の高い人を探しましょう。そして、ハブ度をみつけたらある程度、困ったことがあったら相談できるくらいの関係性を保てばよいのです。
上記の図の中では、Bさんが人間関係を多く持ったハブ度の高い人と言えます。
人間関係はギブアンドテイクのみではありません。しかし、求めるだけでは人は離れていきます。ハブ度の高い人との関係の中で、自分んは何ができるかをしっかり伝えておきましょう。
ハブ度の高い人の頭の中ではこういった情報は整理され、他の人が困ったときに紹介がくるかもしれません。その時は快く応じることでハブ度の高い人の中で、あなたへの信頼度がアップすることにつながります。

一人が好きでも、最低限の社会性を身につけ、少ない人との関わりの中で、効率よく人間関係を構築すれば、快適なお一人様生活を送ることができるのです。

——ホタイブログ—–

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