【海外就職】語学力の優位性と限界ー効率的な語学学習法

ホタイブログ

海外では現地の語学力があると有利となります。効率的に語学を学習し、スキルセットに組み込むためには、本業領域に絞って学習し、そこから領域を広げていくのが効率的です。この記事では、スキルアップにつながる効率的な語学学習の方法を紹介します。
しかし語学力でのスキルアップには限界もあります。語学は道具なので業務能力が、本来の能力以上になるわけではありません。語学の限界もあわせて解説します。

目次

本業と語学力の掛け算

キャリアアップのためのスキル向上に、スキルの掛け算というものがあります。
1つのスキルを極めるよりも、そこまで高くないスキルを2つもち、この2つを合わせて使うことによりスキルの希少性を高めるというものです
法人営業のスキルと英語のスキルをかけ合わせ、海外企業への営業専門家となるような感じです。いくら営業スキルが高くても、語学力がなくコミュニケーションできなければ手も足も出ません。逆に、営業スキルは普通でも語学力があり、コミュニケーションができればある程度の成果は見込めるでしょう。

語学力はこの掛け算の2つ目のスキルとしてまず思い浮かべるスキルです。
では、語学力はどのような相乗効果をもたらすのか考えてみましょう。
語学力がない場合は、コミュニケーションに通訳や翻訳が必要となります。そこに大きな差が出てくるのです。

高語学力の優位性

なぜ語学力の高い人が評価されるのか。以下にまとめました。

  1. 信頼感がわく:ビジネスにおいて、信頼感の醸成は必須です。直接と間接のコミュニケーションでは大きな差がつきます。
  2. 情報が多い:取引先の直接担当者だけでなく、他の社員と話したり、当地のニュースを直接仕入れることができる。
  3. 文化摩擦の少なさ:語学力があるということは、その言葉の文化に理解があるということです。時間(納期)を守るといったことから全てにおいて、行き違いが発生しにくくなります。
  4. 通訳・翻訳の時間:相手とコミュニケーションを図るのに、間に通訳・翻訳が入るので時間がかかってしまう。単純に2倍にはなります。
  5. 通訳・翻訳の待ち時間:通訳・翻訳がいつでも使える状態とは限りません。通訳・翻訳者待ちという時間のロスが発生します。
  6. 本業以外の通訳・翻訳:本来業務以外にもヘルプを頼まれたりし、社内で頼られる存在になります。

特にビジネスにおいて、信頼感の醸成は大きな意味をもちますね。
語学力がなくても仕事はできている!という人もいると思います。しかし、現実には上記のようなハンディを負って仕事をしているのです。そういう方こそ、語学を学習すれはもっと業績を伸ばせることでしょう。

仕事における語学力とは、まず業務のやりとりをその言葉でできることです。
それに加えて、日常的な雑談もできれば語学力が更に高いということになります。

効率的な語学学習の方法

日常会話は難しい

語学力のレベルは、一般的に下記のように言われます。

  1. 挨拶レベル
  2. 日常会話
  3. ビジネスレベル

しかし、私は日常会話はビジネスレベルより難しいと感じています。
日常会話は、それこそ天気の話から、スポーツ、政治など多岐にわたり、しかも略語・流行語が使われ、文法もくだけて正式でない場合があるからです。
それに比べ、ビジネスレベルは業務によって内容が限定され、文法や言葉もくだけた言い方はしないからです。
英語を例に挙げると、人と会った時に 「What’s up?」などといいますが、私ははじめ全く分からず、上?天井??空??となってしまいました。ビジネスシーンではやはり 「Hello, how are you? 」から入ります。

選択と集中

基礎的な文法と語彙学習が第一歩です。
その次に、効率的に学習するには、「選択と集中」をすることです。

分野の絞込み

ビジネスレベルは専門語彙が必要ですので、自分の業務に使用する単語を集中的に学ぶことです。外国語のテキストのトピックはいろいろな内容が出てきますが、自分の業務以外の単語は飛ばしましょう。経理の人は環境問題についての語彙を増やすのは後回しでよいのです。製造管理者の人は、政治関連の語彙学習を今しなくても良いのです。
その代わり、自分の業務に集中し、関連する単語を調べて、学習したほうが効率的です。

語学スキル絞込み

語学スキルは、スピーキング・リスニング・リーディング・ライティングの4スキルに大別されます。これも、自分が一番必要となるスキルに絞りましょう。
例えば、資料の分析が中心であれば、リーディングスキルが優先です。資料の読込みが主目的なら、スピーキングは後回しです。顧客折衝がメインであれば、スピーキング・リスニングの会話力を先に練習します。

このように絞込みを行うことで、絶対的な学習量を減らすことができます。そして、業務に必要な語学力はつくことになります。
ここまでを第一ステップとし、そこから次のステップとして、他の領域や語学スキルにも広げて学習していきましょう。

語学力の限界

スキルの掛け算によって、希少性は高まりますが、それでも語学力による相乗効果は限界があります。
それは、言葉が仕事の道具である以上、本業の能力を上げるわけではないということです。
業務スキルがレベル4の人がいたとして、語学力があり、海外でもレベル4の能力を発揮できます。しかし、レベル5にはなりません。
業務スキルがレベル5の人がいて、語学力がないと、海外ではレベル3の能力しか発揮できないかもしれません。語学を学習すればレベル5の能力を発揮できるかもしれませんが、レベル6にはなりません。

語学は本業能力を発揮する道具となりますが、本業の能力をアップさせるものではありません。
英語ができるけれど仕事ができない人と、英語はできないけれど仕事のできる人がいた場合、海外では仕事のできる人のほうが好まれます。「いくら言葉ができても、仕事ができなきゃしょうがないでしょ」ということです。

効率的な語学学習法まとめ

効率的に語学を学びスキルアップするには、学習の絞り込みを行い、それから学習内容の幅を広げていきましょう
学習の絞込み
学習分野(専門性):自分の本業スキルに関する語彙の強化
語学スキル:本業に使用する語学スキルの優先順位づけ(スピーキング・リスニング・リーディング・ライティング)

語学学習はスキルアップの有効な手段ですが、本業のスキルアップも怠らないようにしましょう。

語学に才能はいらない

外国語のできる人はよく「才能がある」といわれますが、実は語学の習得に、才能は必要ありません。必要なのは、学習の時間と継続的な努力です。きっちりと時間を取り、継続していけば誰でもある程度のレベルに達するとができます。
学習の方向が間違っていると時間が余計にかかってしまうので、その点は良い教師や教材に恵まれると有利です。
しかし、これも絶対条件ではありません。いかにモチベーションを保ち、時間をアレンジするかが決め手です。
まずは挑戦して見ましょう。

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